整形外科・接骨院・整骨院・ほねつぎ・鍼灸院・マッサージ院・整体院の違いをご存知ですか?

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名前の違いを知っていますか?

実は『接骨院・整骨院・ほねつぎ』は名前が違うだけで中身は一緒。法律で使用していい名称が定められているのです。覚え方としては「骨(ほね)」の字が含まれていれば同一のものと思って頂いて大丈夫です。昔は接骨医・整骨医・東洋医学医などの俗称も使用されていましたが、医師法により「医師でなければ、医師又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない」と規定されており、「医」を用いていれば『医師』がいる機関となります。

なので、表題に7つの名前を挙げましたが実際は、整形外科・接骨院(整骨院・ほねつぎ)・鍼灸院・マッサージ院・整体院の5つに分類されます。

資格が違います!

整形外科の先生は多くの方がご存知の『医師』。
接骨院(整骨院・ほねつぎ)は『柔道整復師』。
鍼灸院の先生は『はり師』『きゅう師』。
マッサージ院の先生は『あん摩マッサージ指圧師』です。 
※ちなみに、最近増加している「1時間2980円」などの、いわゆる「マッサージ屋さん」はここで取りあげる「マッサージ院」とは全く異なります。きちんとした医学知識を学んでいない素人の方が多いのが現状です。相応の覚悟をして行かれる必要があると思います(笑)。ご注意を。

ここまでの資格は『国家資格』です。『国家資格』とは「国の法律で規定されている資格で、知識や技術が一定の水準以上であることを国が認定するもの」です。

整体院の先生は『民間資格』になります。法律などで規定されているものではありません。誰でも整体院を開くことが出来るということです。なので「無資格で施術をしている」という人もいますが、しっかり勉強・研鑽を積まれている先生もいらっしゃると思います。でも、どこの整体院が良いのかを見分けるのは至難の業というのが現状ではないでしょうか。

治療方法が違う!

どの治療法も万能ではありませんし、どれが優れているというものではありません。その時の症状に適した治療を施すことが大切です。

整形外科

整形外科医という専門医がいる病院のことですが、医師だけに認められているレントゲン撮影、注射、投薬や外科的手術が行えます(医師の指示のもと各々の有資格者がレントゲンや注射を行うこともあります)。日本での医師は医療の最高位であり、ずばり何でも出来ます(医師で鍼灸治療や手技を用いた治療を行う先生もいらっしゃいます)。が、一般的にはレントゲンなどで画像診断を行い、治療は注射や薬の処方、外科的手術となることが多いと思います。

接骨院

接骨院ではレントゲン撮影や注射、投薬などは行えません。治療は「手技を基本とし(電気的な医療機器や温熱機器も用いて)人間が持つ自然治癒力を引き出し、早期回復を図る」というのが最大の特徴です。薬などの副作用の心配がないこともメリットだと考えます(もちろん、薬や注射が適している症状もあります)。「接骨院」ではなく、「ほねつぎ」と言った方が馴染みのある年代の方もいらっしゃるでしょう。古いイメージや東洋医学、日本古来の伝統医療といったイメージをお持ちの方や、柔道場の隣で柔道家が営んでいるといったイメージをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。しかし、現代の接骨院の先生は決められた養成学校で必要な年数、西洋医学も含め学んでいます。柔道とは無縁の方や女性の先生もいます。検査は基本的に徒手的検査法を用います。
当院では、
徹底的に問診・触診・検査を行い痛みや症状の発生している箇所だけでなく、根本となる原因を追究します。(接骨院で行うことの出来ない検査が必要な場合は症状に適した専門医への紹介をさせて頂きます)。
レントゲンなどの画像診断を行わないと不安な方も多いと思いますが、皆さんに知って頂きたいことは、

・レントゲンなどの画像診断では写らない痛みの原因が山ほどあること
・実際に身体細部を触診させて頂くことで分かる情報が物凄くあること
・悩んでいる症状の根本原因が、症状の出ている場所以外にあることが多いこと

首の痛みが足の不具合から生じていることもあるのです。首のレントゲンを撮影して問題が無くても、放っておかない方がよい場合もあります。

鍼灸院

鍼灸院とは、鍼治療と灸治療を行うところ。その効果は世界保健機関(WHO)でも認定されています。

・鍼治療って?
その名の通り、針をツボや患部に刺すことで治療する方法。0.12ミリから0.44ミリまである太さの針を専用の筒を使うなどして肌へ直接刺入します。どの太さの針を使うかは症状や部位によりけりではり師の判断になります。細いほど痛みも感じにくいです。薬を注入するための注射針を想像すると思いますが、鍼治療での針は通常、髪の毛程の太さ位であり、薬剤が通る孔が無いのでイメージより細いと思います。刺しているのが分からないことも多いです。
・針の刺し方
大きく分けて単刺、置鍼、パルス鍼の3通りの手法があり症状によって使い分けます。単刺は針を刺してから上下や左右に動かしたり、指で弾いて振動させるなどをした後にすぐ抜く方法。置鍼は針を刺したまま一定時間放置しておく方法。最後のパルス鍼は刺した針に低周波の電流を通す方法です。
・鍼治療の効果
鍼治療がなぜ効果があるのかは諸説あります。一般的には刺した針の刺激による免疫系や自立神経系への働きかけによって鎮痛効果や自己免疫力が向上されるというもの。しかし、針刺激によって得られる影響は他にも、筋肉の緊張が緩むことや血液循環が良くなることで症状が改善することを始め、末梢神経による痛みの伝達を遮断する、痛みを抑えるためのエンドルフィンが脳内に分泌されるなどの効果が言われています。
・鍼治療は癖になる?
鍼治療は癖になると言う方々がいますが、そんな事はありません。ただ、短い間隔で繰り返し鍼治療を行っていくと、耐性ができてしまい効果が薄れるといった報告もあります。「定期的に週一回」や「臨時的に症状が強くなってしまった時」など、はり師と相談をしてその時の症状に合わせ行っていくのが良いと思います。

・灸治療って?
灸治療は「もぐさ」を使用し熱による刺激を患部やツボに与える治療法です。大きく分けて直接灸と間接灸という2つの方法があります。直接灸は、もぐさを皮膚に直接乗せて着火させる方法。もぐさの大きさは、米粒程度もものから小指程度のものまであります。直接皮膚に熱を入れられるため刺激は強いです。治療後に水疱ができることも珍しくなく、跡として残った部分を灸痕と呼びます。間接灸は、灸点紙と呼ばれる専用の用紙をもぐさと皮膚の間に入れて着火する方法。間に挟むことにより熱を和らげてくれるため熱刺激はあまり強くありません。灸痕も残りづらく安全性に長けています。他にも、薄くスライスしたショウガやニンンクなどにもぐさを乗せる手法や味噌を塗る方法もあります。これらは隔物灸と呼ばれていますが、現代ではあまりメジャーではありません。
・灸治療の効果
熱刺激による血行改善効果が主です。血行が良くなることで造血作用促進、免疫物質が血液内に分泌されるなどの効果があり、これらによる影響で患部の治療に役立つとされています。

マッサージ院

資格は「あん摩マッサージ指圧師」と書きましたが、細かい話をすると「あん摩」と「マッサージ」「指圧」はそれぞれ別物。「あん摩」は古代中国で誕生し日本に渡来したもので、「按摩」とも書きます。「按」は「おさえること」、「摩」は「なでること」を意味し、東洋医学の基本概念である「虚実(きょじつ)」という概念に応じた使い分けを行い気血の流れを良くし疾病を改善に導くもの。一方、「マッサージ」はヨーロッパで生まれ、明治以降に日本に持ち込まれた施術法で、皮膚に直接、主に求心性の手技を加え、血流の改善を目的としています。「指圧」は日本独自に発展したもので疾病の予防、治療を目的に拇指を中心に四指、手掌のみを使用し全身に定められた指圧点を押圧しその圧反射により生体機能に作用させ人間本来の自然治癒力の働きを促進させる日本独自の民間療法、手技療法。

整体院

整体院は法律などで定められていないこともあり、かなり広い意味で使われているようです。骨格や関節、骨格筋の歪みなどを手技や補助器具を用いて矯正したり調整したりする施術といった感じでしょうか。ちなみにカイロプラクティックというものもありますが、日本では整体の一種になるようです。規定がないので個々の院の違いも大きいです。定められた資格は特にありませんが、その人の手腕によって民間療法を施す場所といえるでしょうか。

健康保険が使える

健康保険が適用となるのは病院(整形外科)と接骨院です。
鍼治療やあん摩マッサージ指圧師が行う施術にも保険が適用となる場合がありますが、医師の同意書が必要となります。